花火

夏も本番となり、裏の川に遊びに来る人も増えてきた。

近くでは小さい子供が花火をするらしいパーン、パーンという音と、はしゃぐ声が聞こえる。

裏の川からだろう、魚の焼ける匂いが漂ってくる。

うちも子供たちが小さい頃、ちょうどこの時間に花火をしたなぁ。マグネシウムが燃える明るい光と、シューっという音、噴水みたいに火の粉が上がる筒の花火、それからネズミ花火、必ずあったのが線香花火。

私が子供の頃はほとんどが線香花火だったが、バサッバサッという火花がとても大きかったし、グチュグチュいう火の玉も大きくて、花火自体がもっと長く続いたような気がする。子供だったから花火が大きく、劇的に見えたのかな。

居間の戸を開け放って、おじいちゃんとおばあちゃんが座って、その前で私たちが地面にしゃがんで花火をする。「あっかい火の玉が足に落ちるとやけずりするで、きをつけてやりんさいよ。」おばあちゃんはいつもそばで世話をやいてくれた。「かじんなるとだちかんぞ。」とおじいちゃんも言葉を添える。父はだまって新聞か何か読んでいる。母はいつも裏の方で仕事だ。母の休みは正月二日だけ。だから、私も母に遊んでもらったのは一年にいっぺん、正月二日だけ。いつも まり投げだった。

百姓の家はいつも忙しく、だれも何かしら仕事をしていたので、子供は子供で遊んでいた。が、呼べば必ず答えてくれるところに、いつも誰かいた。