国歌

チリの落盤事故の救出活動が終了して世界がほっとした。当初は全員助かるのは無理なのではないかと思っていたが本当によかった。

この事件は連日報道され、その全容を詳しく見ることができた。私はその報道を見ていて、事故そのものとは別のことを考えた。国歌だ。チリ国歌を歌う場面が何度も見られた。考えてみれば、欧米諸国ではうれしいにつけ、悲しいにつけ、群衆が一つのことを分け合っている時に国歌がよく歌われる。その場にいる全員が自分の国を誇りに思えるということはとてもすばらしいことだ。うらやましい。

日本ではどうだろうか。歌えといわれるので仕方なく歌うが、自然と口をついて出るという経験はしたことがないし、式典以外で君が代が歌われるのも聞いたことがない。

なぜだろうか。日本は国の存続が危ぶまれるようなことや、自分の国籍を意識しなければならないような状況は経験したことがない。愛国心を意識する機会がなかった。空気や水のように、必要だけれども努力しなくてもそこにある、そんな存在なのかも知れない。

もう一つ。メロディが湿っぽいということも理由としてあげられるかも知れないと思う。ほとんどの国歌はマーチなので、歌うと元気が出やすい。ラ・マルセイエーズは例えばフランスがオーストリアに攻めて行く際の事を歌った軍歌らしい。そうなれば元気が出て、一体感が生まれるのも当然だ。ここ一番という時に歌うのにはもってこいだ。他の国歌については知らないけれど、マーチばかりだということから、やはり進軍に関係しているのではないだろうか。

内容は様々にしろ、大事な時に国民の口から国歌が自然に出てくるということは本当にうらやましいと思う。