居酒屋ゆうれい

居酒屋ゆうれいを観た。
仲むつまじい居酒屋の夫婦、妻の方が先立ち、死に際に後添えは決してもらわないと約束するのだが、ひょんな事から夫は再婚する。そこへ先の妻がゆうれいとなって現れ、可愛らしい事件が起こる、という筋書きだ。

配役が完璧だった。居酒屋の主人に萩原健一、妻に室井滋、後妻に山口智子、他、居酒屋に集まる客の1人1人にも非常に細かく配慮した配役がなされていた。それから映画のシーン、というか絵、これも話の雰囲気にぴったりだった。このように細部がすべてつじつまを合わせて作られていてこそ、十分に映画を楽しむことができるというものだ。そういう点で完璧だった。更にその物語も、なかなか面白かった。前の妻が化けて出ておかしな事が起こったり、後の妻をびっくりさせるのだが、どの場面でも柔らかく、かつユーモアを持って描かれている。

死を特別扱いせず、日常の事として居続けているところがとても好きだ。
最近は死がどんどん日常から遠ざかっている。死ぬ場所も、死ぬ段階も、私たちの知らない世界のことになりつつある。

おくりびと」は死を日常のレベルまで引き戻していた。

誰もが必ず死ぬ。尊厳死ということも聞くけれど、私は猫が草むらで静かに死ぬように、死んでみたいと思うが、無理だろうか。