鼻笛

隣村の文化祭に参加した。
おじさんやおばさんたちが歌ったり踊ったりする中に、アルプホルンの合奏というのがあった。
アルプホルン自体は見たことがあったが、生の演奏を聴くのは初めて。

アルプホルンはもともとアルプス地方で牧童が牛を集めるのに使った楽器だそうで、長さが4メートルほどの大きな楽器だ。その大きさのせいか、音に迫力がある。自作の楽器だそうで、それにも驚いた。が、私がもっと驚いたのはおまけとして紹介された、鼻笛、というものだ。

幅4センチ、長さ5センチほどの四角い木に、穴が二つあいている。一つは鼻から吐く息を通すためのもの、下の四角い穴は、、、よくわからない。上に付いている鼻用の丸い穴は、下の四角い穴と細い通路で繋がっている。

これはホルンを作るときに出る木ぎれで作られた。演奏してくださった皆さんがホルンを始められたきっかけは、間伐材の有効利用ということで、わずかな木の端も素敵な楽器になった。

この笛は鼻から吐いた息を口の中の空間に共鳴させて音を出す。この奇妙な楽器に私はすっかり魅了され、演奏が終わった後、奏者を追いかけていって、どんな仕掛けになっているのか、見せてもらった。ごく簡単な作りだ。口笛のような音が出る。すっかり感激して、譲ってもらえないかとお願いしたら気持ちよくくださった。見ず知らずの方によくもこんなお願いができたものだ。普段はごくおとなしい私(?)だが、今日ばかりは感激の方が先に立って私をせき立てた。

私も吹かせてもらったが、一瞬音が出たものの、二度と出ない。瓶の口を吹くと音が出るのと同じ原理だとグループの方が教えてくださった。実はすぐ後に出番が控えていたために、やっと名刺だけを渡して、お住まいも訪ねるのを忘れてしまった。たぶん、市役所に控えがあるに違いない。

この笛をもらったので、もう気もそぞろになり、肝心の自分の演目では間違えたことのないせりふを間違えてしまって、さんざんだった。仲間の皆さん、平身低頭。

と、立った今、笛をくださった方から、電話を頂いた。うれしい!!
そこで先ほどの非礼をわびて、改めて教えを請うことにする。

こんな幸運なことがあると、思わず、神様ありがとう、といいたくなる。勝手信者です。