モヤシ

高校のとき、英語の教師でモヤシという人がいた。青白い人で、骸骨に皮を被せたように見えるほど痩せていた。

話の冒頭に「ええ」と言う代わりに「ああですなー、」と言っていた(最初の「あ」に強くアクセントを置く)。

先生は階段を下りるとき、正面を向かずに何故か体の右側を前に出して、ちょうど狭い板の間を通るようなふうにして下りていた。風の抵抗を少なくしようとしていたんだろうか。だってあの体じゃ、下から風でも吹き上げようものなら、ふらふらっとそよいじゃいそうなくらい、痩せていたもの。