貧しいものの最後

ジョージ・オーウェル
動物農場
高畠文夫 訳

動物農場、象を射つ、絞首刑、貧しいものの最後、の四つの短編集だ。
オーウェルは初めて読む。タイトルとなっている動物農場は人間社会を風刺した寓話である。
他の三編はごく短いものだ。いずれも読んだ後うら悲しさが心に残る。あとあとまで心の底に沈んだまだ残って、人生のひとこまひとこまに浮かんできそうな気がする。

翻訳も好き。それからなんといってもここで言わなければならないのは、開高健による長いあとがきが、作品として読めるということ。作家としての目から見た作品の評が書いてあるが、これを読むといかに自分が作品の多くを読み取れていないかということを実感する。

「生きるべきか、死ぬべきか」という言葉を聞いて、単に生きるべきか死ぬべきかという意味のみしか捕ることができない者と、この一言からシェークスピア文学の密林のような膨大かつ深淵な世界を脳裏に想い浮かべることができる者との違いだ。