「地震予知、即刻中止を」 東大教授、英誌に掲載

大好きなロバート・ゲラ-教授の論文についての記事。短いので全文を転載する。

阪神淡路大震災が発生したときにどこかの報道番組で教授をコメンテータとして招き、意見を聞いていたが、そこで述べられた意見にとても共感したので、以来ずっと記憶に残っていた。教授がメディアに露出することはなく、著書もないのでその番組以外に教授の見解を知る機会はなかったが、深く興味を持った。その時の発言の概要は「地震の予知はできるんでしょうか」というインタビュアーの質問に対して、「できません。」と即答されたのが印象深い。教授は続けて、いたずらに予測して、皆がそこにばかり注目することで、予測された時期と地域以外の住民が安心することは、かえって危険だ、と述べられた。すべてのことを人の手で制御可能だ、予測可能だとするのは技術の傲慢だと私は思う。予測は不可能だという謙虚な姿勢で臨んでいれば、今回のような「想定外だった」という弁解もなくなるのではないだろうか。

以下、47NEWSのサイトより転載。

「地震予知、即刻中止を」 東大教授、英誌に掲載
 「日本政府は不毛な地震予知を即刻やめるべき」などとする、ロバート・ゲラー東京大教授(地震学)の論文が14日付の英科学誌ネイチャー電子版に掲載された。

 「(常に)日本全土が地震の危険にさらされており、特定の地域のリスクを評価できない」とし、国民や政府に「想定外」に備えるよう求めた。

 「今こそ(政府は)地震を予知できないことを国民に率直に伝えるとき」とも提言しており、世界的な学術誌への掲載は地震多発国・日本の予知政策に影響を与える可能性もある。

 論文では、予知の根拠とされる地震の前兆現象について「近代的な測定技術では見つかっていない」と指摘し、「国内で1979年以降10人以上の死者が出た地震は、予知では確率が低いとされていた地域で発生」と分析。マグニチュード8クラスの東海・東南海・南海地震を想定した地震予知は、方法論に欠陥がある、としている。

 教授は「地震研究は官僚主導ではなく、科学的根拠に基づいて研究者主導で進められるべきだ」として、政府の地震予知政策の根拠法令となっている大規模地震対策特別措置法の廃止を求めた。

 また、福島第1原発事故についても「最大38メートルの津波が東北地方を襲ったとされる1896年の明治三陸地震は世界的によく知られている」とし、「当然、原発も対策されているべきで、『想定外』は論外だ」とした。

2011/04/14 02:02 【共同通信
転載はここまで。

教授の原文は
http://www.nature.com/nature/journal/vaop/ncurrent/full/nature10105.html#/ref-link-1

日本語版は
http://www.natureasia.com/japan/nature/special/nature_comment_041411.php