日本の地震予測技術についての意外な事実

昨日ゲラ-教授の寄稿文を読んで興味深いことを知った。プレートテクトニクスに基づいて地震予知ができると信じているのは、世界的に見るとごく少数派であるということだ。日本では常々予知についての報道がなされているために、これは確立した技術であると信じていたが、そうでもないらしい。教授の主張の骨子は現在日本で行われている地震予知の方法を廃止して、予知情報に頼ることなく、想定外の事態を前提としてそれに備えるべきであるというものだ。

日本が地震予知の根拠としているのはプレートテクトニクスと地震の発生確率を関連づけたもので、1960年代から70年代に世界的に注目を浴びたが、その後誤謬が指摘されて今では指示している学者は少ない、にもかかわらず気象庁が同じ手法で東海地震を繰り返し報道することによって、私たちはあたかもそれがすでに決定したことであるかのように思っている、、、このあたりの記述にはいちいち納得する。たしかに、中部地方に住む私たちは「そのうち来る」と心の底で思っているが、大きな地震はいつも北海道だったり北陸だったりしていた。教授はこのように国民全体に一つの思い込みを植え付けてしまう危険性について指摘している。そして、このような予測理論にとらわれることなく、過去の日本における地震の履歴を考慮していれば今回のような事故は防げたに違いないとしている。

そして予測の不確実性を認識し、想定していないことにこそ備えるべきだと結んでいる。

このような専門的な文書は読むのが難しいと思われるかも知れないが、文章は平易であり、しかも理論が明快であるために理解しやすい。野ばら文庫としてはどうしても言葉にこだわってしまうのだが、この論理の明快さ欧米の報告書などに共通して見られることで、日本のそれと大きく異なる。日本の著名人が書いた文章は言質を取られるのを恐れるのか、主張に幾重もの薄衣をまとわせ、はっきり伝わってこない。
大変読みやすい文章なので、一読を勧めたい。