身の丈に合った暮らし

原発事故以来電気と暮らしについてのいろんな意見が飛び交う中で、下のような痛快な記事を友人が紹介してくれたので紹介する。

天野祐吉は以前からその発言に切れがあるので私も好きだ。この夏は関東で電気が足りないそうだから、皆が真剣に暮らしを見つめ直さなければならない。いい機会だと思う。この間ニュースで、東京は他の先進国に比べて格段に明るいといっていた。あんなもんだと思っていたのに、他の国では「そんなに明るくする必要がない」という認識だった。このことを含め、当たり前だと思っていることは実はそうでないかも知れない。

ゼロから始めるのだ、とある被災地の人が言っていたが、規模の大小はあれ、自然界というのはそんなことが時々ある。人も自然界に生きる動物の一種であるということを、この際謙虚に認めて、よく考えなければならない。


CM天気図
天野祐吉

原発のない暮らし」

わかんないなあ。

「風力を利用すれば原発40基分の発電可能」っていうじゃないの。うそじゃない、環境省がちゃんと試算した上での発表だ。

だったら、なぜもっと早くそうして、原発を減らさなかったのか。

いま日本にある原発は 54基だそうだから、その7割くらいは減らせたじゃないか。

わかんないなあ。

とにかく、原発はやめようよ。一気には無理でも5年か10年の間には全廃だ。こんど国政選挙をするときには、それを最大の争点
にしなくっちゃ。

で、 その結果、電力がこれまで7割くらいしか作れないというのなら、いいじゃないか、それで暮らせる身の丈サイズの経済や生活の仕組みにすれば。

別に耐乏生活をしようっていうんじゃない。もっと知恵のある生活をしようってことだ。知恵さえ集めれば、いまの7割の電力で、いまより7倍明るい生活だってできる(か
な)。

ところで、そういう時代のCMは、どうなるか。量は減る。とくに、ものを買え買えと大量消費をあおるようなCMはなくなるだろう。というよりも、そんなものはみんなからそっぽを向かれ
る。

が、ぼくらの生活のひずみに気づかせてくれるような面白いCMは、確実に生き残るだろう。いままでもそうだったように、そういうCMはぼくらに知恵をつけてくれる。センスを磨いてくれる。暮らしの水先案内をしてくれる。

思えばこの50年の間に、「アンクルトリス」とか「ムシムシコロコロキンチョ-ル」とか「ハングリー?」とか「白戸家の人びと」とか「宇宙人ジョーンズ」とか、面白いCMに出会って、ぼくはずいぶん利口になっ
た(かな)。

(コラムニスト)。

(朝日新聞4月27日の記事より転載)