暮らしの技: 一生ものの器

このことはもっと早く書きたかったけれど、原発ウィルスに頭を占領されてすっかり遅くなってしまった。

しばらく前にブログで知り合った人(http://doronco884.exblog.jp/)から片口をもらった。「どろんこさん」という人で、ユニークな作品をいっぱい作って公開していらっしゃる。

片口というのは知っていたけれど使ったことがなかった。別のものをお願いしたらこの片口をおまけに付けて下さって、使ってみるととっても便利。今までは漏斗を使っていたところへこの片口を使っている。口のところの曲がり具合がとてもいい。それに描かれている木蓮もなよっとしたところがとってもそれらしい。木蓮が大好きな私としては木蓮の木蓮らしさが現れていてとても好き。ものを表現するのに、それ自体を写実的に表現するという方法と、その持っているニュアンスを表現するやり方があるが、私は後者の方が好きだ。その代表が折り紙の鶴。あれ自体は決して鶴に似ているとは言えないけれど、どう見ても鶴でしかあり得ない。そういう表し方がとても好きだ。この木蓮はそこまでデフォルメされていないけれど、木蓮の持つ「感じ」が良く伝わってくる。

陶芸は土を形作ることは勿論、絵も描くし、焼く時の焼き具合も考慮しなければいけないし、土自体を研究することも必要だし、それから道具としての機能性も考慮しなければならない。総合的な芸術だ。人間の能力の多くの部分を動員して行う、全人的作業だ。そういう仕事を私もしたいと思う。私には陶芸は向いていないことがすでに経験済みなので、とても向いている百姓をもっと深めようと思う。人工的なものを使わずに、自分が生きていけるくらいのものを作れるようになりたいなぁ。