考える: 国家が報復として人を殺害するということについて

オサマ・ビンラディンを殺害したと米国が公式に発表した。(「作戦約40分間の末ビンラディン容疑者を殺害「正義を達成」 」
(CNN) オバマ米大統領は1日夜、国民に向けて演説し、米軍が同日パキスタンで実施した作戦で、国際テロ組織アルカイダ指導者のオサマ・ビンラディン容疑者が死亡したと発表した。ビンラディン容疑者は、3000人を超す犠牲者を出した2001年米同時多発テロの首謀者とされ、米国が10年以上前から行方を追っていた。米政府高官がCNNに語ったところでは、米軍はパキスタンの首都イスラマバードから約100キロ北部にある邸宅でビンラディン容疑者を殺害したという。家族も一緒だったとされる。http://www.cnn.co.jp/world/30002630.html

これは夢だろうか。信じられない。先進国の代表のような米国が、一人の人間を国として殺害するなどは。そして「正義がなされた」と言うとは。以前にはビンラディンの仲間を「水責め」にして情報を得ようとしたらしい。(【2月6日 AFP】米中央情報局(CIA)の元工作員が国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)関連容疑者の尋問時に「水責め」を行ったと批判されている問題で、CIAのマイケル・へイデン(Michael Hayden)長官は5日、上院情報特別委員会で証言し、「水責め」の事実があったことを初めて公式に認めた。http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/crime/2346882/2603472#blogbtn

オサマ・ビンラディンは911テロの首謀者とされる人物だが、犯人だと確定したわけでも、裁判を受けたわけでもなく、単なる「しかえし」としてアメリカという国家が軍隊をもって殺害したのだ。そんなことが先進国、しかも世界の警察を名乗るアメリカで実行されるということは、真に恐ろしい。もしこんなことが正しいとされるなら、裁判所などは要らない。目には目をという旧約聖書の規律を適用するということだ。以前には水責めで情報を引き出したということも、このニュースのついでに知った。そんな情報の信憑性を云々する前に、そもそもそのような手段を執っていたとは、背筋が凍る思いだ。単なる容疑者を国を挙げて殺害するような国が、よその国の民主化を云々するなど、なにをか況んや。

どんな極悪非道な人間の犯罪にも比べようのない恐ろしさを感じる。また、このようなことが他の先進国で大きな議論になっていないことにも、似たような、背筋の凍る思いがする。