本当に必要なものはなんだろう

テレビのバラエティ番組で「世界の秘境に嫁いだ日本人妻」というのを見た。

ネパールの高原、ジャマイカの奥地、ニューカレドニア島、モンゴル平原などに暮らす家族が紹介されていた。いずれの暮らしも電気水道はもちろんのことガスも無しで暮らしだ。

いちばん感銘を受けたのはモンゴルの遊牧民と結婚した人。広大な平原にテントを立てて住み、放牧をしながらの移動生活。暮らしてゆくのに必要最低限のものしか持たず、トイレも風呂もなく、水は一週間に一度、車で一時間かけて共有の井戸に汲みに行く。朝、顔を洗うのに使う水はコップ半杯。口に含んで手のひらに垂らして、口をゆすぐと同時に顔を洗う。牛の糞の乾いたものを燃料として煮炊きする。

そうして暮らす人々を何人か写していたが、みなが幸福そうだった。嫁いだ日本人も素敵な笑顔だった。

あらゆる便利な機器と、地球から取り出した多くのエネルギーを使って暮らしている私たちの暮らしからはちょっと想像しにくいが、現に今このときにも、そんな風に暮らしている人々がいる。

その様子を見ていて、人はほんの少しのものがあれば暮らしてゆけるのだと、今更ながら感動した。あんな暮らしをすれば人口70億でも、みなが十分に地球の上で暮らしてゆける。

あの人たちは風呂にも入らないと思うが、不潔な感じはしなかった。実際、この頃は行き過ぎた清潔が横行している。あれやこれやを比べていると、私たちの多くが享受している今のこの暮らしが、自分の足を食べているタコのようにも思えてきた。