プー穴につまる

プー穴につまる
A. A. ミルン 著
石井桃子


子供の頃に読んで楽しいといえば、なんといっても、くまのプーさんシリーズだ。


誤解をしてもらっては困るが、私が言っているのはあくまで本物のプーさんシリーズである。つまり、イギリス人のA. A.ミルンが著し、石井桃子が訳した、あの本だ。


ユーモアといえばイギリスであり、ことナンセンスについては、イギリスのそれに勝るものはない、と私は思っている。


ナンセンス(nonesense)、つまり意味が無いのである。自然界にはもともとほとんど意味なんかないのであり、学校でものを習うにつれて、意味のないものに意味を与えようとする。ものを習う前の子供はいわば自然の一部であって、それ自体がナンセンスだ。この時代にこそ、このナンセンスを十分に生かして楽しんで欲しいと思う。また、読んでやる大人には、この際、ナンセンスであった自分を思い出す良い機会だと思う。


くまのプーさんといえばディズニーのほうが圧倒的に有名になってしまって、今や多くの子供がプーさんといえばディズニーのプーを思い出すようになってしまったことは悲しい。似て非なるものである。