フィンランド・メソッド入門

フィンランド・メソッド入門

北川達夫
フィンランド・メソッド普及会



フィンランドの教育が充実していることはよく知られている。この本はそれを具体的に紹介した本だ。


知識よりも知恵が大事だと、私はいつも思っている。持てる知識をフルに使って新しいことを予測し、考えだす力。これが大事だ。日本の教育はいつも知識を点として入力して、その点を引き出すための試験を行う。つまり入力したものをそのまま引き出すと高い点が取れるという仕組みになっている。これは大いに問題だ。


長いこと英語を教えていて実感するのは、英語の得点が高いことと英語の運用能力が高いことは一致しないということだ。昔は英語能力といえば英語検定という時代があった。しかし英検一級を持っているのに、アメリカの本屋に電話をかけて本を注文することができない人は少なくない。


知識は実生活に使えなければ意味が無いのである。そこで大切になってくるのが運用能力だ。これには考える力が必要だ。考える力とは、点として存在する数々の知識を分類し、関連付け、その関係性から新しいことを導きだすということだ。


こう言うと難しいように聞こえるが、普段暮らす上で大なり小なり私たちが実際にしていることである。この思考回路を形成する方法がわかりやすくこの本には述べられている。絵も入っていて理解しやすい。子供を前にどんな授業をするのか、一つ一つ順を追って書いてある。


他に、発想力、表現力、コミュニケーション力などの項目がある。文章もわかりやすい。


小学校のこどもを持っていらっしゃる方には是非、親が読んで子供に実践するよう、この本をお勧めしたい。