本の読み方

本の読み方、スロー・リーディングの実践
平野啓一郎

この間ドナルド・キーン氏と対談していた平野啓一郎をテレビで見て、ピンとくるものがあって一冊目を手に取る。

読書は量ではない、質である。

少ない本をいかに深く読むか、これが読書の質を決める。本というものが非常に貴重であった時代にも偉大なる知恵者は生まれ、今もって読み継がれている人も少なくない。その一方で、読む本の量は比べものにならないほど多くなったが、それと同じ程度に我々が賢くなっているかというと、決してそうは言えないのである。

洪水のように出版される本の中で、いま求められているのは「量」の読書から「質」の読書へ、網羅型の読書から選択的な読書への転換である、と著者は述べている。

本当の読書は読み終わったときに始まる。その本を様々な人生の側面に活かしてゆくからである。

以上のようなことが冒頭に記されている。スロー・リーディングの考え方は食べ物や暮らし方にも通じるものがある。一つ一つの場面をやり過ごすのでなく、味わいながら過ごす。時間に追われる私達がいつの間にか忘れ去り、できなくなってきたことだと思った。