やまんば 市民記者になる

その日、秋の木漏れ日を浴びてやまんばがちょうど熟れた柿をかじっていると、
「誰か市民記者になってくれるものはおらんか〜」という声が風にのって吹いて来ましたので、行って見ることにしました。

村の役場では集まってきた村の若者たちがやれそれと賑わしく話し合っているところでした。やまんばも負けじとあっちだこっちだといって仲間に入れてもらってわいわい話し合って、おしまいに図書館を取材することに決まりました。やまんばはこっそり、うれしいなと思いました。やまんばは本が好きでしたので、日頃から図書館についてはいろいろ考えることもあったのです。

市民記者というのは村がやっているいろいろの仕事について調べるのです。今度は図書館はいったいどんなところか、どれくらいみんなに使われているか、どんなふうに本を選んで買っているか、村人に本を読んでもらえるように、どんな努力をしているか、そんなことを調べることになりました。

図書館に行ったことがない人もいるというので、そういう人が気軽に行けるようになるよう、記事の見出しを「初めての図書館」とすることにして、牛飼いの少年が初めて図書館に行って本を借りるということにして、本の借り方も説明することにしました。

この日は大体の予定だけを決めたのですが、それでも夜遅くなってしまいましたので、やまんばは山に帰ってそのまま寝ました。