「一つ目国」の悲劇

しばらく前にフェイスブックに以下のような一文を投稿したところ、コメントを頂いていろんな見方があることを知りました。そこでここでは私の頭に浮かんだことを述べてみたいと思います。

真っ先に浮かんだのが、原発の危険性について警鐘を鳴らした一部の識者がムラや関連組織のメンバーから外されたこと、地球温暖化の原因を人間活動であると主張する著作物は本屋に溢れている中、それとは異なる主張の本はほとんど見られないこと。

前者の危険性についてはすでに今まさに証明されているところであり、温暖化については太陽の黒点を原因とする説も実はあります。減少している森林面積に関連するデータは沢山公表されていますが、増えた面積についてのそれはあまり見ることはありません。

皆がひとつの方向にどっと流れるときは、ちょっと立ち止まって、考えてみる必要があると改めて思いました。特に今のように、様々なネットワークをとおしてひとつの情報があっという間に広がる状況の中では。

「一つ目国」の悲劇

 ある旅人が、旅の途中で道を見失い、
 不思議な国に迷い込んでしまいました。
 その国は、一つ目人間の国だったのです。
 その国の住人は、誰もが、目が一つしかない人々であり、
 旅人のように目が二つある人間は、
 一人もいなかったのです。
 その国に迷い込んだ当初、
 旅人は、変わった風貌の住人を見て驚き、
 そして、しばらくは、
 彼らを不思議に思って眺めていました。
 しかし、その国で過ごすうちに、
 旅人は、だんだん孤独になってきました。
 自分だけが二つの目を持つことが
 異常なことのように思われてきたのです。
 そして、その孤独のあまり、
 ついに、その旅人は、
 自ら、片方の目をつぶし、一つ目になったのです。
 
この旅人の悲劇は、決して、
 遠い彼方の国の物語ではありません。
 なぜなら、
 我々も、しばしば、
 この旅人のように、
 自ら、片方の目をつぶそうと考えてしまうからです。
 自分自身であることの孤独。
 そのことに、耐えられず、
 自分自身であることを
 やめようと考えてしまうのです。
以上、田坂広志のHP(http://www.hiroshitasaka.jp/tayori/tokusen23.pdf)より引用。