吉村昭 「青い骨」

先の「破船」に続いて「青い骨」を読んだ。これは著者が作家としての足がかりをつけるべく自費出版した短篇集だ。これを読むと、当初からあの赤裸々な、鋭い文体は確立されていたんだなと思う。

轢死した隣人と一夜を過ごす女、兄弟の微妙な感情のずれ、女の嫉妬、どれをとってもその描かれる暮らしの側面は鋭い鋭角を思わせる。ひとつひとつが読みごたえのある作品で、読み終わるごとに次のをまた読んでみたいと思わせる。

私は続いて「破獄」と「冷たい夏、暑い夏」を買った。同じ作家を追いかけてみたいと思ったのは久しぶりである。