子供のおもちゃ

昨年3月に孫が生まれた。両親いずれの方にとっても初孫だったので、ヤンヤヤンヤの大騒ぎだ。このごろは笑ったり声を出すようになったので、なんとか笑わせよう、声を出させてみようと、私なぞはまるで変な格好をしたりして遊んでいる。正月に帰郷した折も、両方の親族から大歓迎を受けた。

そういうわけでおもちゃだって買ってやりたくなるのだ。ところがどっこい、喜ぶかなと思っておもちゃを与えても、買ってやったおもちゃで遊ばず、何でもない箱や紙、化粧品の蓋、そんなものを手にとって盛んに見たりしている。そう大人の思惑にはまるものか。

実際のところ、こちらがおもちゃと思えばこそ与えるのだが、一才に満たない幼児におもちゃとそうでないものの区別が付くはずもない。幼児にとってはいわば全てがおもちゃなのだ。

一体どんなものに興味を示すんだろうと観察していると、概ね音の出るもの、動くものが多い。が、本も気に入っているらしい。本は読むとか見るというよりもページをめくるのが好きらしい。興味深いのは、グズグズ言っている時でも絵本を見せてやると途端に機嫌が良くなるということだ。ページをめくるのも好きらしいが、読んでやるとそれなりにじっとして見て、聞いている。本については私が好きな本を入念に選んで買ってやっているので、うれしい。基本的には色の穏やかなものを選択している。

絵本よりも威力を発揮するのが、テレビ、コントローラ、それからパソコンのマウスだ。テレビはともかく、コントローラやマウスは動きもしないし色も決して目を引くようなものではない。が、コントローラを見つけると必ずそれに手を出す。何が惹きつけるのか、不思議だ。

テレビは絶えず画面が移り変わるので、子供の注意をひくのは理解できる。特にコマーシャルになると注目する。しかし、好きだから見せても良いというわけではない。長い時間テレビを見ることは目に害をなすし、頭にも害をなすと私は思っている。常に受身の状態を継続することは大いに問題だ。更に最近は色があまりにも鮮やかだ。この点も子供には良くないと思う。シュタイナーは、7歳まではあまり刺激を与えるのは良くない、と言っているが、私もそう思う。人間には慣れというものがあり、味の濃いものをいつも食べていると微妙な味がわからなくなるのと同じで、いつも鮮やかな色や刺激の強い場面を見ていると、感性が鈍くなるのだ。

三つ子の魂百までという。あらゆる意味で、小さい頃に入力された情報がその後の人の価値観の基礎となる。何を見せるか、何を聴かせるか、子供の回りにいる私達大人は充分考えなければならないと思う。