「マックと子供

随分前のことになるが、アメリカのコマーシャルと日本のそれの違いについて、アメリカでは商品の機能を具体的に説明するが、日本では商品とは直接関係のない映像を見せてそれを商品に関連付ける傾向がある、という趣旨の評論を読んだことがあった。以来、そのことがなんとなく頭の隅に残っている。ちょっと気をつけて見ていると確かにそうだ。

例えば焼酎のコマーシャルはどれも日本の原風景を連想させたり、日本人の哀しみを良しとする感性に訴えるようなものが多い。一方アメリカでは、例えば掃除機のコマーシャルなどに代表されるように、いかにその掃除機が有能であるか、様々な使い方を紹介して説得し、アピールする。

昨日のことだ。一ダースほどの犬が並んでリズミカルに吠えて、あたかも合唱しているように作ったCG(と思われる)を、たまたまネットで見つけた。その瞬間に「可愛い]と思ってフェイスブックに投稿したが、今朝目覚めた途端に、どうしてあんなことをしたんだろうと後悔して削除した。不断から、人の慰みのために動物に芸をさせたり色を塗ったり変形させたりすることを良としていない私は、自分の行動を恥じるとともに、一体どうしてそうしたんだろうと考えて、思い浮かんだのが上に書いたこと。

子猫や子犬が登場する映画は観客動員数が多い。日本の場合は、悲しい、泣ける内容の出し物には人気がある。映画館を出た人が、「泣けたわぁ、感動した!」といってその映画を高く評価するというのはよく見る光景だ。コマーシャル映像も、感情的に肯定的な印象を受けると、その商品に対しても何とはなしに良い印象を持ってしまう。コマーシャルに人気アイドルを採用するのはこの心理を利用したものだろう。

理性ではなく感情に直接訴えるものは、判断力を狂わせる。このことを忘れてはいけないと、改めて心に刻んだ今日の夜明けであった。