傑作を生み出すもの

物語の意志
 かつて、小説家の遠藤周作氏が、対談の中で、
 次のようなことを語っています。
  ある男女の心中物語を書こうとしたら、
  筆が進むにつれ、その主人公たちが、
  「死にたくない」と叫びだし、
  結局、彼らを殺せなかった。
 この話を思い起こすとき、
 一人の著者として、
 大切な心得を教えられます。
  素晴らしい物語は、
  「著者の意図」によって書かれるのではない。
  「物語の意志」によって生まれてくる。以上、田坂広志「物語の意志」より引用 http://www.hiroshitasaka.jp/tayori/tokusen29.pdfより引用

確かに読んでいてもそう感じることがある。

彫刻については、名人と言われる仏像作家が、「私が自分の意志で彫るのではない。木の中にいらっしゃる仏様を、私が掘り出すのだ」と言っていたことがある。

何かに憑かれたように、あるいは何かに引かれるようにして、傑作と言われるものは生まれるに違いない。作者を引っ張るものは何なのだろう。