芥川賞報道について思う

今回の芥川賞は今までで最も注目を浴びたものではないだろうか。

文学賞としてはレベルの高い芥川賞が注目されることは喜ぶべきことだ。が、その報道のされ方には疑問を感じた。今回は田中さん、円城さんと二人の受賞となったが、報道されたのは圧倒的に田中さんの方だ。その内容も、あの社会性が疑われる田中さんの言動ばかりだ。新聞はせめて冷静に分析しているかも知れないと思って見てみても、田中さん一色だ。石原都知事の「ばかみたいな作品ばっかりだ]という発言も多く引用されている。

テレビや新聞は何を主眼として報道しているのだろうか。これでは、私らおばさんたちの、単なる興味本位の井戸端会議とほとんど変わりない。莫大なお金を投じて全国に流すような内容とはとても思えないのだ。報道する側の誇りをなくしてしまったのではないかとさえ感じる。このような傾向はもうずっと前からあると思うが、だんだん強くなってきたのではないか。

芥川を受賞する限りはそれなりの文学的価値というものがあり、受賞作品を生み出すに至った経緯や動機をお二人から聞きたかったのに、大変残念なことだ。