瓦礫の広域処理について考える

東北地方で発生した膨大な量の瓦礫が問題になっていることを知った時から、これは全国で協力して処理すればよいではないかと思っていたところが、当初はなかなか受け入れられませんでした。今も実際に受け入れて処理を実施しているのは東京都のみ、他に静岡県島田市が受け入れのために調査に乗り出しました。更にその後いくつかの市町村が受け入れを表明しましたが、なかなか期待どおりの結果が得られていません。その根源となっているのが放射能に対する恐れであると思われますが、受け入れ反対派の方々からは感情論ばかりが目立って、これといった根拠が示されていないように思います。

誰もが心の中では処理に協力したいと思っているのだが、放射能に対する恐れが先立ってしまって、なかなか賛成できないというのが本当のところだと思うので、その恐れに対する誤解を解くことができたらと思います。一方、反対している方々から別の解決法についての提案があればそれも伺いたいと思います

この頃ではSNSの普及も手伝って一人の意見が以前よりも大きな効果をもたらすようになってきました。私はフェイスブックに「震災瓦礫の受け入れについて考える」というページを設けて、受入対象となっている瓦礫に関する情報を含め、これに関連する情報を掲載しているので、興味のある方はご覧いただき、考える縁としていただけたらと思います。また、このブログを読んでくださっている方からもご意見を伺いたいと思います。

受け入れについては多くの方が疑問を持っておられるので、以下に河野太郎さんの「ごまめの歯ぎしり」の「震災がれきQ&A」を転載します。私達が知りたいと思っていることについて、例を上げながら丁寧な説明がなされているので参考にしていただけたらと思います。

http://www.taro.org/2012/02/post-1161.php
震災がれきQ&A
2012年02月08日 18:41|自民党役職停止中
まず、下記のブログ「震災がれきの受け入れに賛成する」をお読みください。

http://www.taro.org/2012/02/post-1159.php

Q セシウムによる内部被曝と飛行機に乗った時の外部被曝を比べることに意味がありますか。

A 同じ放射線量を被曝したら、内部被曝も外部被曝も健康への被害は同じです。3300ベクレル/kgのセシウムを含む食べ物を1kg食べた場合の健康への害は、飛行機で東京−ニューヨークを往復した時の健康への影響よりも少ないことを表します。

Q 「もし3300ベクレル/kgのセシウムを含む食べ物を1kg食べた場合、内部被曝の総量は0.043ミリシーベルトになります。」とありますが、他に内部被曝で0.043ミリシーベルトの被曝をするのは、たとえばどんな場合ですか。

A バナナ一本を食べると、バナナに含まれるカリウム40で0.0001ミリシーベルトの内部被曝をします。つまり、バナナを毎日1.2本食べると、一年間で約0.043ミリシーベルトの内部被曝になります。

ちなみに煙草を毎日一箱吸うと、煙草に含まれるポロニウム210で年間0.2ミリシーベルト被曝します。

Q セシウム137の半減期は30年なので食べたら体内に残り続けるのではないですか。

A セシウム137は尿と一緒に排出され、乳児は9日、大人でも3ヶ月で体内の量が半分になります。セシウムは身体の中に溜まることはありません。

Q 放射能が100ベクレル/kg以下の物質は、法律の定義で放射性物質ではないといっても、放射能があるのだから、実際は放射性物質ではないですか。

A 人間の身体も体内に取り込んだカリウムのせいで4000ベクレル程度の放射能をもっています。体重が60kgとすると、67ベクレル/kgになります。それと比べても100ベクレル/kgの物質を放射性物質ではないと定義してもかまわないと思います。

Q 阪神大震災のときは、がれきを県外で処理しなかったのに、なぜ今回は広域処理をしなければならないのですか。がれきを移動するよりも、現地に焼却炉を設置して、現地で処理すべきではないですか。

A 阪神大震災では、地震により、約8年分の一般廃棄物が生じました。兵庫県で発生した可燃性の災害廃棄物の一部は県外で焼却され、横浜市、川崎市、埼玉県東部清掃組合で合計約4万トンを焼却しています。

今回、岩手県では約11年分、宮城県では19年分の災害廃棄物が発生しています。被災地では仮設焼却炉を設置して処理を急いでいますが、とても現地だけでは処理しきれません。

Q この災害廃棄物の広域処理は、法律的な裏付けがあるのですか。

A 市町村は、地方自治法に基づいて岩手県、宮城県に処理を委託し、両県は、廃棄物処理法に基づいて各受入自治体等に処理の委託のお願いをしています。

Q ガスになったセシウムをバグフィルターで除去できるのですか。

A セシウムの沸点は671度、塩化セシウムの沸点は1295度ですが、焼却施設の排ガスはバグフィルターでは200度以下になっていますので、セシウムは気体の状態ではありません。バグフィルターでセシウムは除去されます。

Q バグフィルターでセシウムが除去できるというデータがあるのですか。

A 独立行政法人国立環境研究所などの廃棄物焼却炉の実証試験で、バグフィルターにより、99.9%以上のセシウム137が除去されることが確認されています。神奈川県内では、焼却施設でバグフィルターを通ったガスを測定していますが、2ベクレル/kgの検出限界で、セシウムは検出されていません。

Q 放射性物質の濃度よりも放射性物質の総量が問題になるのではないですか。

A 神奈川県が受け入れる可能性のある最大量を焼却して埋め立てた場合でも、周辺住民が受ける埋立処分後の年間の放射線量は0.01ミリシーベルトを上回ることはないので、総量も問題ありません。

Q 管理型最終処分場で、センサーが漏水を検知しても、すでに汚染水が漏れているのではないですか。

A センサーは二重シートの間に設置されていて、さらにシートの下にベントナイト混合土20cm、その下にコンクリート10cmが敷かれています。ベントナイト混合土は不透水性でセシウムなどの金属の吸着能力もあり、ベントナイト層を汚染水が通過するには相当な時間がかかり、その間に破損個所を補修することができます。

震災がれき Q&A その2
2012年03月09日 16:40|自民党役職停止中
Q なぜ、がれきを県外に搬出するかわりに、被災地に、がれきの焼却場を建設しないのですか?

A 焼却炉を被災地に建てます、建ててます!

宮城県の場合、石巻市に5基、名取市に2基、岩沼市に3基、亘理町に5基、山元町に2基、この他に仙台市に4ヵ所、気仙沼市に2ヵ所、南三陸町に1ヵ所、建設予定地があります。


Q どれだけのがれきを県外で処理するのですか。なぜ、全部、現地で処理しないのですか。

A 被災地の復興を10年で、というのが目標です。そのためにはがれきの処理を3年で終わらせて、本格的な復興にはやくつなげたいというのが目標です。

宮城県の場合、衛星写真からがれきの総量を1500万トンから1800万トンと想定していますが、1年目がもう終わってしまうので、3年での処理はかなり厳しいというのが現実のようです。

宮城県の場合、被災地を仙台市とその他4ブロックに分け、焼却炉を建設して、がれきの処理を実施しますが、その処理能力で3年で処理できないがれきが350万トンと、当初想定されていました。

350万トンは「県外」処理ではなく、「域外」処理、つまり被災しなかった宮城県の内陸部にも引き受けを要請しています。域外、県外あわせて当初の想定が350万トンですが、3年での処理を目指すと、この量は増えると想定されます。


Q がれきを現地で処理した方が雇用が増えて、被災地の復興のためになるのではないですか。

A ネットなどでこうした意見が広まっていますが、県などは早く復興を実現し、本格的な雇用を創出したいと考えています。

宮城県などに尋ねると、がれきの処理で生まれる雇用は、分別のところが一番数が多いだろうが、域外処理に出すがれきは、分別が終わってから出すので、あまり影響はないとのことです。

域外処理で、現地の雇用が若干減ることはあるかもしれませんが、本格的な復興で本格的な雇用を、早く、たくさん創り出すほうが、少々の雇用を生み出すために、がれき処理に時間をかけて、復興を遅らせるよりも、はるかに被災地のためになります。


Q ある横浜市議のブログに、
「今何もない沿岸部に、発電もできるごみ処理工場を最先端の技術を持っている横浜市が建てて、現地の人たちがごみ処理場建設から灰の埋立まで携われば、漁業が復活するまで時間は稼げるし横浜にとっても、本当の意味の被災地支援になるはずです」

「放射能汚染の有無にかかわらず、市としては瓦礫を受け入れず、横浜市の焼却場を被災地につくる議論を進めたいです」と、ありますが。

A 今回現地に建設される焼却炉は、かなり大きなものです。がれき処理が終われば、その後は焼却炉に持ち込まれるゴミの量は以前に戻りますので、自治体が持っている焼却炉で対応可能です。

焼却炉のほとんどはがれき処理が終わると解体され、地権者に土地を戻すことになります。ですから、最先端技術よりも、はやく建てて、はやくがれきの処理をするのが大切です。

焼却の問題と同時に、焼却灰の処理も地域の処理場だけではやりきれないので、域外処理をお願いしています。

また、焼却炉の建設から運営に関しても、最初から現地の雇用を生み出すことが入札の条件になっています。

被災地にとって大切なのは、がれき処理が生み出す雇用ではなく、一日も早く、本格的に地域を復興させることだと思います。そのためには、がれきの処理を3年で、まず終わらせることが大切です。


Q 岩手県の岩泉町長は、時間をかけてでも地元で処理した方がよいとおっしゃっているようですが。

A 町長から直接お話を伺っていないので、意図をよく理解できているかどうかわかりませんが、岩泉町の場合、環境省のデータによると、がれきの総量が4万2千トン、すでに解体するものを含め、ほとんど仮置き場に移動できています。

これが、たとえば陸前高田市だと101万6千トン、気仙沼市136万7千トン、石巻市だと616万3千トンのがれきになります。

また、石巻市などは、仮置き場が一杯なので、仮置き場のがれきを焼却などで処理してから、壊れて残っている建物の解体を始めることになります。解体により生じるがれきを含めるとまだ、半分近くのがれきが仮置き場に集められていないことになりますので、処理を急がないと復興ができません。

また、仮置き場での火災が発生していますので、災害を防ぐ意味でも処理が急がれます。

被災地にも、様々な状況があります。


Q がれき処理は、東京のゼネコンの言い値の高価格で決まっていて、現地の雇用にもつながっていないのではないでしょうか。

A 宮城県はがれき処理のプロポーザル入札を終えていますが、県の予測した価格よりも全て安い価格で落札されています。地元業者が入ったJVでなければ応札できませんし、建設に関する発注などは地元の業者に出すことが求められています。


Q がれきを埋めて、そこに木を植えて森林をつくることもできるのではないですか。

A はい、仙台空港の近くなどで、宮脇昭氏等の協力を頂いたそういう計画があります。

ただ、有機物を埋めると、ものによっては硫化水素が発生したり、様々な問題が起きますので、そこに埋めることができるのは、コンクリートなどの無機物です。焼却すべきごみの量にはあまり影響がありません。


Q 被災地のがれきを県外に搬出したら、お金がかかるのではないですか。

A コストは確かにかかります。しかし、被災地の復興を早くやろうとすれば、必要なコストだと思います。

被災地には、当面、がれき処理の雇用があればよいという考え方には、私は賛同しません。本格的な復興を早く成し遂げて、本格的な雇用を創出するために、国の予算を使ってがれき処理をしてもよいと私は思います。