放射腺と原子力災害

「放射腺と原子力災害ー人に与える影響は?」と題する講演会に行って来ましたので、その報告をします。あらかじめ申し上げておかなければいけませんが、以下に書くことは私が理解したことであり、一生懸命メモをとったものの、この分野を学んだ経験がないために誤解しているところがあるかもしれません。読者の方で間違いに気づかれた方は指摘していただけると助かります。

講師は片渕哲郎、岐阜医療科学大学保健科学部放射腺技術学科教授。

この講演会に先立ち関市と岐阜医療科学大学の間に結ばれた放射腺災害に対する支援協定の調印式があり、市長の挨拶がありました。これまでも市長はがれきの広域処理について幾度がお話をされましたが、今回は前向きに検討するという言葉と共に、被災地に視察に行く予定があることも話されました。

さて講演会ですが、印象としてはわかりやすく、見解に偏りのない内容でした。情報が多く充実した講演でしたのでいくつかに分けて報告します。今回は放射線と被ばくの影響について。

冒頭に放射腺とは何かについて学術的な説明がありましたが、これは省きます。次に言葉の定義がありました。これはとても大切なことです。一つの言葉を使うときその意味が共有されていないと誤解をまねくことがあるからです。ことに今のような状況では放射能という言葉が間違って使われていることはよくあります。

放射能、放射腺、それから放射性物質について、火を例えにあげて説明がありました。焚き火をしているところを想像してください。そこには木と火とそれから発する熱があります。放射性物質は木にあたるものです。火に当たると暖かく感じますが、この暖かさが放射腺です。そしてこの暖かさをもたらすものが放射能です。つまり放射能とはその字のとおり、放射性物質が崩壊することによって熱を発する、その力です。

それから放射腺の種類と透過力、つまり放射腺が何でブロックされるかということ。次にお話があったのは放射腺を測る単位です。これは私達も日頃からベクレルとかシーベルトなどという文字を目にするので気になるところです。単位にはベクレル、グレイ、シーベルトの3つがありますが、私たちが知っておきたいのはベクレルシーベルトです。

ベクレルは「1秒あたりに崩壊する原子の数」という説明がありましたが、放射能力、つまり熱をだす力の大きさです。上の焚き火の例でいえば、火自体の熱さあるいは薪の量にあたると思います。シーベルトは「吸収線量に放射腺の生体に及ぼす効果を考慮した線量」という説明でしたが、感じる暖かさの度合い、つまりどれくらい暖かいかということです。ですから例えばいま問題になっている広域処理についてはがれき自体が持っている放射腺を出す能力はベクレルで表され、その近くに立って私たちが受ける放射腺の量はシーベルトで表されるのです。

では放射腺にあたることによって、私達の身体にはどんな影響があるのでしょうか。影響が出る場合は、その場ですぐに現れる症状と何年もたってから現れる症状に分けられます。その場で現れる症状、例えば先の原発事故のように大量の放射性物質が空気の中に放出されて被ばくする場合、吐き気、赤い斑点が皮膚に出る、髪の毛が抜ける、子供ができなくなるなどです。何年か経ってから現れる影響には、癌、白血病、白内障などがありますが、このような病気は被ばくしなくても現れる病気ですから、放射腺にあたったことが原因かどうかを区別するのは困難だということです。

この部分を聞いて私は、事故直後に「流産が多発している」とか、「甲状腺がんが多くなっている」、「病院から流産や甲状腺がんの報告が多くなっている」というツイッターへの書き込みを思い出しました。上のような正しい知識を持っていればこのような書き込みは無かったでしょうし、それによって不安になる人も少なかったろうと思うのです。中には大学の教授という立場にある人までが不安を煽るような発言をしていたのは大変残念なことです。正しい知識を持つことの大切さを実感しました。

さて、最近は長い文章が嫌われる傾向にあるので、このあたりでいったん終わりにしますが、次は一体どれくらい放射腺を浴びると危険なのかということについて、私の理解したところを書き留めたいと思います。