放射腺と原子力災害 その2

「放射腺と原子力災害−人に与える影響は?」講演会報告

先のブログでは放射腺とは何か、体に与える影響についてまとめました。今日はその続きです。

放射腺に当たると私たちの身体に影響があることはすでに書きましたが、ではどれくらいの放射線を受けると、どのような影響があるのでしょうか。

放射線の影響にはすぐ出るものと長い間経ってから出るものがあります。このうち、すぐ出るものについては基準値というものが確立しています。これをしきい値といいます。影響が出るか出ないかの分かれ目の数字です。単位はシーベルトです。すぐさま影響が出る皮膚の赤み、脱毛、不妊、こういったものが現れるのは1000ミリシーベルトを超えたとき問題となるそうです。後から出るものでも白内障や胎児への影響については同じ数字が使われていますが、白血病や癌、代謝異常などについてはしきい値がありません。しきい値がない影響を確率的影響といいますが、これは例えば、放射線を浴びなくても癌になる可能性があるが、放射腺を浴びたことによって癌になる確率がどれほど高くなるかということを表すものです。この点について、放射線の影響を受けやすい体の組織や若いほど影響を受けやすいということについての説明もありました。また確率的影響という難しい言葉を説明するのにとてもわかりやすい図が使われていました。配布された資料にその図が掲載されていますが、資料自体、文字の一部が読めないほど粗悪なものでしたので、ここでそれをお見せすることができないのが残念です。市役所に頼めばコピーをくれるかもしれません。

被ばく線量についても図がありましたのでそこから一部、言葉に直して引用します。数字の単位はシーベルトです。
原子力発電所周辺の線量目標値:0.05 / 一般人の線量限度:1 / 吐き気、倦怠感がある:1000 / 不妊、皮膚の赤み:5000 / 水ぶくれ、ただれ:8500

この時点で「ひばく」という言葉についても注意がありました。被爆と表記されることもありますが、これは爆弾の影響を受けるということで、広島や長崎の場合に使用しますが、原発その他による放射線を受けることについては「被ばく」を使っているそうです。

さて、被ばくというと真っ先に思い浮かぶのが、癌になるのではないかということです。先にも書きましたが、放射線に当たらなくても癌にはなります。そこで普通の暮らしの中で特定されている癌の原因と、それに相当する放射線量を比較したグラフが示されました。これもグラフを見れば一目瞭然なのですが、ここに表示できないので言葉に直して一部引用します。単位が表示されていませんが、「放射線の発がんリスク」というタイトルからパーセンテージだと思います。また、数字は必ず1.XXXとなっていますが、これは普通に暮らしていて発ガンする場合を1とし、悪影響をもたらす要因(喫煙、運動不足など)があった場合にそれにプラスされる確率だと思います。つまり1.08であれば、被ばくしたときに癌になる確率は、そうでない場合より0.08ポイント高くなる、というのが私の理解です。この数字の意味と単位について具体的な説明はなく、質問も出来なかったのでここにお断りしておきます。このグラブのタイトルは「原爆で被ばくした4.4万人の追跡調査との比較」です。

野菜嫌いな人(そうでない人との比較):1.06
100〜200ミリシーベルトの被ばく:1.08
運動不足:1.05〜19
200〜500ミリシーベルトの被曝:1.16
肥満:1.22
1000〜2000ミリシーベルト:1.4
一日2合以上の飲酒:1.4

わかりやすくするために放射能被ばくと発がん要因を交互に並べてみました。これでみると、すべてを鵜呑みにしないまでも、放射線被ばくというのが、今恐れられているほどのものではないらしい。

このあと内部被ばくについても少し説明がありました。

さて私たちは原発からばかりでなく、自然環境からも被ばくしています。地面から、空から、コンクリートから。ではそれがどの程度なのか。これにもわかりやすい図がありました。数字の単位はシーベルトです。胸部X線で0.3、岐阜県の年間自然放射線量1.19、自然から受ける年間放射線量2.4、胃のX線検査4.0、アメリカ、デンバーの自然放射線10、医師、技師など職業人の限度は年間50、5年で100。となっています。デンバーでは原発事故がなくても10ミリシーベルトを毎年浴びているんですね。それでも癌の発生確率は他と変わらないそうです。

また長くなってしまったので、このあたりにして、次回は原発事故に関する部分を報告します。