放射線と原子力災害 その3

「放射腺と原子力災害−人に与える影響は?」講演会報告

前回までに放射線とは何か、体に与える影響、自然界にかる放射線についてまとめました。重要なことはそれで書き終えたと思います。

今日は原子力災害の部分を報告します。まず原子炉の構造とメルトダウンの定義についてお話がありました。その後原子力発電所から放射能が漏れた場合、気象や離れる距離によってどれほどの影響があるかということを、表を見ながら、また地図を見ながら話されました。チェルノブイリやスリーマイル島の事故についても簡単に説明がありました。まとめると、私たち関市はそのもっとも原発に近いところでも、もんじゅから80キロ離れているので、東電の原発事故程度の事故が発生しても避難区域には入らないのではないかということでした。

次にお話があったのが、防護方法です。放射能から身を守るためには、離れること、時間を置くこと(つまり放射能力が少なくなるのを待つ)、そして身体を覆うことです。(距離、時間、遮蔽というのが資料の言葉です)

避難準備としては:
飲料水、非常食等に加え、雨合羽やゴム長、手袋(これは放射性物質が身体に付着するのを防止するため)、保温シートなどを確保すること。

また、いざ放射能漏れ事故が発生して、非難が難しい場合には:
*窓を閉めて家の中で待機する(放射性物質を中に入れないため、これに触れないため)、
*ヨウ素を含む食品(わかめなど)や薬品(うがい薬など)をなるべく早く食べる(ヨウ素が甲状腺に蓄積するのを防ぐため)、
*家の中にいても濡れタオルでマスクするなどして、直接空気を吸わないようにする。空気清浄機を使ってもよいが、フィルタに放射性物質が溜まる
*できるかぎりたくさんの水を貯める、保存食を確保する
*やむを得ず外出するときは雨合羽などをきて外に出る。なるべく表面がツルツルのほうが、放射性物質が付着しにくい
*帰ってきたら、合羽を外に出しておく

次に利用的な対処についてお話があった後、低線量リスクについてのお話がありました。
低線量リスクとは少しの放射線に長い間さらされ続けることで起こるかもしれない体の異常ということです。これについてはよく分かっていないそうですが、現在は二つの仮説があります。ひとつはほんの少しの放射線でも、浴びたからには必ず悪影響があるとする説、もうひとつは、ある程度ならむしろ健康に良いこともある、とする説です。現在の政府基準は前者の仮説に基づいて設定されています。後者の、健康によい事もあるという仮説の証拠としては、一日1ミリシーベルト程度の放射線に当たるとがん抑制遺伝子ができるらしいことが挙げられました。また、宇宙飛行士は宇宙で、地球の何倍もの放射線を浴びるわけですが、健康被害はひとつも報告されていない、というお話もありました。これについてはホルミシス効果というものが確認されているということです(以下ウィキペディアより引用:大きな量(高線量)では有害な電離放射線が小さな量(低線量)では生物活性を刺激したり、あるいは以後の高線量照射に対しての抵抗性をもたらす適応応答を起こすことである[1]引用ここまで:つまり低線量の放射線を浴びることで生命活動が活発になったり、放射線量に対して抵抗力がつく、ということだと思います)

結びとして、地球に生命が誕生したのは放射線が今よりずっと強い30億年前であること、放射線について正しい知識を持ち、パニックにならないこと。ここで、ポーランド放射線防護中央研究所アウァロウスキ氏の言葉が引用されました。「人々の健康に対するもっとも醜い被害は、放射線自体によって引き起こされたものではない。それは、身体ではなく、精神によって引き起こされたのである」その例として、チェルノブイリの事故の影響として報告されている健康被害には、放射線に対する恐怖から強い精神的ストレスを受け、それが原因で病気になり、自殺に至るというケースも多い、と話されました。人による被害という点では、日本でも風評被害という大変始末の悪い被害があり、報道によれば今も続いているらしい。

以上、多少の情報を補足しながら、講演会の内容をできるかぎりわかりやすい言葉でお伝えしたつもりです。パワーポイントを使った講演だったので、情報を目で確認することができて、文字だけでは伝えきれないものをよく補っておられました。教授の了解が得られれば、このパワーポイントの資料が市役所で公開される可能性もあらしいので、是非期待したいところです。

参加者は年配の人が目立ったのですが、このような講演を小さい子供を持つお母さん方に聞いていただけるよう、昼間にも開催されたらよいと思いました。放射能に対する恐れが少しでも和らいだことを願って、この報告を終了します。