福島原発事故独立検証委員会 調査・検証報告書

感動した。

内容にではなく、構成に。

この報告書はワーキング・グループと呼ばれる、原子力工学、科学技術思想、科学行政、社会学、政治学などなどを専攻する学者、研究者、弁護士、ジャーナリストを中心とする委員が、事故の対応にあたった政治家、東京電力に取材し、それをまとめたものである。委員は全部で約30人。400ページあまりの報告書だ。

冒頭に検証手続きが説明されており、各章の冒頭にその章の概要が記され、必要に応じて検証すべきポイント、論点が記載されている。

内容は高度に専門的であり複雑であるが、その読みにくさをこういった構成の工夫で補っている。これまで様々な報告書を読んだが、これは秀でてわかりやすく構成されている。改めて、人に物を伝えようとするときには、熱い思いの他にこのようなテクニックが非常に重要であることを実感した。

報告書は、事故発生当時の対応から原子力発電所の機器の様子まで微に入り細を穿って記載されており、内容ごとにそれが最も伝わりやすいような形で、例えば必要な場合は時系列で、記載されている。

政府や東電の対応、それにまつわる原子力村に関する記述には暗澹たる思いを抱かざるをえないが、この報告書の構成には他にない感動を覚えた。