自治基本条例勉強会に参加する

昨夜、市役所「自治基本条例勉強会」があったので参加しました。講師は愛知大学地域政策学部教授 鈴木誠氏。

そもそも自治体基本条例という言葉さえあまり馴染みがなかったので、これは行かねばと思って参加した勉強会。有意義でした。

講義の内容は基本条例とは何かということから始まり、市民、自治体職員、市区町村長、議員の四者がそれぞれの役割を明確にした上で各々の責任を果たすことが重要であるということを骨子として、基本条例を策定するにはまず地元の実情を知らなければということから、様々な統計が示されました。

以下に主な項目をたどりながら、理解し得た範囲でその内容を書き留めたいと思います。

*自治基本条例とは
地域づくりの柱となるものであり、地域の暮らしと産業の双方を考慮しながら、二元代表制(市役所と議員)による市政を市民や企業の発言や行動によって補完するものである。
従来のような行政を通して住民が要望を実現する形を脱して、住民自身の発意と行動で地域の課題を解決し、暮らしを向上させるための条例である。このため、市民、自治体職員、市区町村長、議員の四者が対等な立場で連携し、意見を表明し、行動することが求められる。

*自治基本条例制定へのステップ
有効な条例を策定するためには、まずもって自分が住んでいる自治体をよく知ると共に、市民の参加、市民による行政事業の評価、行財政改革などが必要である。
基本条例を構成するのは、次の三要素である:
1. 自治体を運営するための理念
2. 理念を実現するための制度
3. 制度運用のための原則

*条例の構成項目
1. 情報公開、情報の共有
2. 住民の参加と協働
3. 近隣自治体を含めた、様々な人や組織との連携
4. 政策形成活動(国際交流、財政制度の整備など)
5. 行政組織及び首長(首長や職員の責務、人事政策など)
6. 議員及び議会(役割/責務/権限、及び情報公開制度など)
7. 行政の公正信頼(外部監査、オンブズーパーソン制度、首長等交際費、議員倫理条例など)
8. 見直し手続き(検討機関の設置、見直し期間、住民投票制度など)

*自治基本条例の意義
市民にとっての意義:自治基本条例に記載された制度を見ることで、市政のルールを知ることができ、これを基に市政を評価、監視できる。
議員にとっての意義:行政事業が法令に基づいて実施されているか、市民サービスが適正に執行されているかを監視する基準とすることができる。市政を争点とし、議員として政策提案すべき論点を明らかにできる。
職員にとっての意義:日頃の行政活動や政策活動において踏まえるべき原則がルール化される。市民参加や情報公開の実施などを条例に組み込んでおけば、この基準を満たさない政策案は提案できず、議会も承認しない。こうした意味で、職員の仕事の質を高める可能性を持つ。

*自治基本条例の必要性
自治体を国レベルの経済的観点から見てみることが必要だ。国際収支は黒字であるが、その要因は変化している。
一方国内的に見ると、全国の都道府県を比較しても、東京への富の一極集中が顕著である。人口も都市部に集中する傾向がある。製造業が海外移転をすすめる中、それによって失われた雇用の受け皿を持つのは東京のみで、地方の財政は悪化するばかりである。
このような状況を踏まえた上で関市に目を移すと、グローバル化や円高などによって生産力の大幅低下が見られる。しかし、製造業の低迷を補うに足るサービス業は育っていない。
高齢化、人口減少も深刻だ。これによって、耕作放棄地の面積も増加している。
市政への参加という点では、市議会議員選挙の投票率が低い地域があり、無投票で決まることも少なくない。市政への関心を高めることが求められる。

以上のような実情を踏まえて、グローバル化に翻弄されない地域経済や社会を実現するため、内発的投資が必要である。お金は地元で使おう、地元に投資しよう。

話の内容は概ね以上のようなものでしたが、関市の実情を説明する部分では多くの資料が提示されました。関にはお金がない、と漠然と思っていましたが、人口動態、所得要因の変化、地域固有の問題などなど実に様々な要素を統計とともに提示され、その実態を少し理解することができました。また、関市の実情を知る箇所では、冒頭に国際的な観点を示されましたが、確かに今のように先進国経済が緊密に絡み合っている中では、その中における日本、そして関市という広い観点は必ず持っていなければならないと思いました。

新しい市長になって一年。私達一人ひとりが意識を高め、行動する必要があると常々思って来ましたが、昨夜の基本条例の話を聞いて更にその感を深めました。今回も、この資料が公開されればと思いますが、とりあえずは、行けなかった近所の人にコピーを配ることにします。

最後になりましたが、上記は私が話の内容を急ぎメモしたものなので、間違いに気づかれた方がありましたが指摘、修正してください。